マネジメントオブザベーション(MO)

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、2017年出版の拙著「原子力安全文化の実装」でも、過去のコラムでも、研修の場でも・・・、「就業時間を減らし、でも、賃金は上げつつ、週休3日を行うことが生産性向上、原子力安全性の向上には重要」とお話させて頂いてきました。

しかしながら、実は私自身も「誰も相手にしてくれないだろなあ・・」と思いながらのお願いでした。

そして今、世界がコロナ禍に飲み込まれ、今年もまた翻弄されることが予測される中、テレワークを進め、週休3日を実現し、なおかつ副業も推進するという企業も身近かな存在となりました。

仮にコロナ禍がなくても、少子高齢、人財不足の昨今、SGDsの流れも受けながら、ダイバーシティーマネジメントの一環として少しずつ進んだものと思われますが、コロナ禍によって、その流れが世界一律に加速されてきたものと感じます。

しかしながら、週休3日はそもそも、生産性を上げるため、また、原子力業界にあっては、原子力安全性を上げるために実施すべきものであって、蜜を避けることだけを目的に実施するものではありません。

計算上は、労働時間が減少すれば生産性は上がりますが、企業の存続理由は「付加価値」ですので、もし「付加価値」が生み出し難くなってしまうと、逆に、加速的に淘汰されてしまいます。

「原子力安全」は、まさに「付加価値」そのものですので、設計時の安全性を保障しつつ、日々、向上させていかなければなりません。

過去、多くの管理的業務の付加価値が低く、たまたま、この機会に調整されただけであれば、それはそれで良いと思いますが、ぜひ、付加価値創りを意識していただければと思います。

付加価値創りのキーワードは「専門性」です。管理的業務であっても「専門性」が重要で、例えば管理間接部門であれば「経営マネジメント」「人財マネジメント」「リーダーシップ」「経理」「安全・品質」・・・など、部門で扱っていた業務そのものが「専門性」です。

結局、「人財育成」ができない企業の存続は厳しくなりますので、コロナ禍だからこそ、テレワークを行わなければならないからこそ、OJTが難くなってしまったからこそ、「専門的な人財育成」の重要性をなお一層意識していただければと思います。

会社のフロアーは単なる「コミュニケーションスペース」ではありません。人財育成の「中心的な拠点」であるはずです。もし、テレワークの問題を「コミュニケーションの問題」と短絡的に捉えると、後で大きなしっぺ返しを食らうことになると思います。ぜひ、「人財育成の問題」と捉えて、必ず、人財育成計画と人事評価基準の修正を行ってください。

専門的人財の育成とは、皆様の周りにおられる方々の強みを意識することですので、弱みや欠点を(コロナ前のように)強調しないことが重要です。弱みや欠点は、強みを伸ばすことによって補完されてしまうと考えてください。これが専門人材を育成するコツ、原子力安全を日々高めていくコツになります。

なお、教育には「技術教育」「技能(OJT)教育」「態度(MO)教育」の3つの柱があります。
この3つがどれかひとつ欠けても、専門性の高い人財は育ちません。
リーダーシップの4E(Encourage:励ます、Enable:可能にする、Exellence:卓越する、Endures:我慢する
)を意識し、人を育てる千載一遇のチャンスと捉えていただければと思います。

本年も、皆さまにとって、そしてご家族の皆様にとって、健康で、実り多き年になりますこと、お祈り申し上げます。

ご安全に。

                           株式会社ゼロナイズ
                           代表取締役 
                           中小企業診断士 大木恵史

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